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加賀市立スワトン保育園 / 2021

c/w. INADE Architects, 谷垣建築設計事務所, G-mode構造設計事務所

スワトン保育園は、加賀市における公立保育園の再編に伴い、地域の3つの保育園を統合し開設されました。
柴山潟にほど近い、加賀市潮津町に立地する片山津中学校・野球場に面した丘の上の敷地に建てられています。
「スワトン台地」と呼ばれる豊かな自然や地形を残した地域の中で、
・主役である園児たちのこころとからだの育成につながるよう、周辺の豊かな自然や環境を活用しながら共に育っていける建物となること
・小さな子供の頃から大人まで敷地付近に集う最初の場所として、地域住民に長く愛される場所となること
を基本方針としました。

建築は、活動域の小さな子供たちの保育室が入る「0〜1歳児部門」、活発に活動できる子供達のための「2〜5歳児部門と遊戯室」、入園前の親子と共に利用ができる「子育て支援部門」を連結し、管理部門から広く見渡し安全の確認を取りやすいよう構成しました。
・十分な広さをもち、保育室とも広く開放して繋がる廊下
・保育室が並ぶ部門の小さな庭のようだけれども、雪の多い北陸の天候に左右されずに自発的な遊びを助長する「屋外遊戯スペース」
・籠って読書もできる「絵本コーナー」
・園庭側に設けた広い庇下空間と大きな窓
・園舎内のどこにいても、外からの風や光・空など自然を感じられるように
など、屋内外に渡り子供たちが自分で自分の居場所を見つけ、自然を感じながら遊び回れるような空間を目指しています。

建物南側には栗などが採取できる雑木地などもあり、父母をはじめとした大人に支えられて子供たちの活動の場が自然の中にまで広がり、安全に探索することを通して、豊かな体験をますます得られる場所となることを願っています。

第48回 石川県デザイン賞 一般社団法人 金沢建築業協会会長賞 受賞